組織内サイレントマイノリティを減らす・作らないためにどうすればいいのか考えていきたいと思います。
是非に忌憚ないご意見いただければ幸いです。どうぞよろしくお願い致します。
先日ある企業の人事責任者の方に、この取り組みについて「企業において職場での従業員の声なき声を顕在化させることは、あるべきリーダーシップや企業文化を醸成していくために、不可欠ですね」とおっしゃっていただきました。
“働く人の声”を活かすも殺すも職場であり、“働く人の声なき声”を顕在化させるためには、職場リーダーが丁寧なコミュニケーションを通して、安心して何でも言える雰囲気を醸し出すことが必要です。
そのためには人間関係の構築に手間と時間を十分に掛ける必要があります。
しかし現場リーダーは「プレイングマネージャー」で、部下と同様に自分の担当業務を持ちつつ、管理もしています。
産業能率大学の調査によると、プレイングを兼務しているマネジャーは98.6%で、プレイヤーとしての活動割合が
半分より多いという回答が4割に達しているという結果でした。
またマルチタスク化し業務量が増え、厳しい成果目標に追われていることが多く、部下の仕事のフォローや話しをする余裕すらなくなったと感じているリーダーは少なくありません。
“働く人の声”をしっかり聴くどころか、部下の報連相すらも要領得ないと苛立ちを隠さない、または適当な相槌で聞き流すといった態度をとる、話すること自体も緊張させる職場リーダーが存在します。
一方、萎縮していて結果を出せなかったり、ダメの烙印を押された人でも、元気でノビノビと明るく結果を出す人に
変えることができる職場リーダーがいます。
“働く人の声なき声”を顕在化させるのは職場リーダーのリーダースタイルであったり、マネジメントの在り方が
左右するものだと考えられます。
それではどんな職場リーダーが働く人を萎縮させパフォーマンスを下げるのか、前向きで成果を出せる人に変えるのでしょうか?
職場リーダーのタイプ分けとして、一つ目の軸は「課業達成重視型」と「人間成長重視型」というリーダーシップ行動の切り口があります。
「課業達成重視型」はビジョンを掲げ、それに向かって方向性を打ち出し、途中でついていけない人も出ますが、目標を達成させるために全力を注ぎます。
「人間成長重視型」は一人一人の社員が成長することで組織力が上がり、目標や目的を達成することにつながると信じています。ですので一人一人に対して顔色や様子を見ながら、声を掛け、時には励まして、落ちこぼれないように支援していきます。
二つ目の軸として「独善」と「信頼」という考え方・方針・態度の切り口が挙げられます。
「独善」は他人の利害や立場を考えず、自分だけが正しいとする考え方を持っています。
自分だけが正しいと思い、ほかの人の意見を聞き入れなかったりします。いわゆる独り善がりですね。
「信頼」はその人が頼りになると信じること、「信頼」するためにその人に対して何らかの信頼できる根拠を見出し、現在・未来への行動を期待し任せます。
図のように「課業達成重視型ー人間成長重視型」と「独善ー信頼」という類型のための2軸を組み合わせて4つのセルで職場リーダータイプがいるのではないかと思っています。
次回以降はそれぞれの職場リーダータイプについて述べ、“働く人の声なき声”を顕在化するためにはどうしていけばいいのか考えていきたいと思います。