組織内サイレントマイノリティ

声を上げられない組織内少数派

HRサミット「グローバルで活躍できるリーダー人材の育成の在り方」学んだこと

「グローバルで活躍できるリーダー人材の育成の在り方」をテーマに、三菱商事の松田豊弘様と元P&G米国本社組織変革・HR担当ヴァイスプレジデントの会田秀和様に登壇いただきました。お二人とも本社から派遣されて様々な拠点の立て直しや立ち上げを実行なされてきたのでとても説得力のあるお話し伺うことができました。「グローバルビジネスができる人材の育成」についてお二人のお言葉で残っているお話しを書きたいと思います。

グローバル能力開発を行うには「Why-ビジネス理由、例・売上伸ばす、シェア伸ばすなど」があって、そこから「What-モデル・ヴィジョン、例どこに到達するか」と「How-体系的な取り組み、教育や評価・昇進の在り方を変えていく」を構築しなければならないとのことだった。例えば、会田氏は日本のP&Gを立て直しに来た時に、「絶え間ない高質の新商品導入 (Innovation)  」をビジネスラインがグローバルケイパビリティを活用して実現できるようになるために能力開発を行うことになった。能力開発を行うためにグローバル能力定義を行う。会田氏の場合は日本人の強みと弱みを分析して「P&Gグローバル能力モデル」を提示し「体系的グローバル能力開発システム」を創った。その具体的なトレーニング体系として「専門知識育成システム」「グローバルコミュニケーション育成システム」「戦略的思考育成システム」「リーダー育成システム」を構築し実践なされてきたとのことだった(詳細はP&G流 世界のどこでも通用する人材の条件、会田秀和、ダイヤモンド社、2013)。ビジネスから落とし込んで人材育成システムのあるべき姿を構築する「ビジネス」アプローチはロジカルでわかりやすかった。

松田さんは「人」アプローチからグローバル化、そしてグローバル能力開発を行ってこられた。松田さんは地域採用プログラム等を行った経験から、海外での自社ブランドの低さを知る。各地域・各国における自社ブランドを高めるには何をすべきか。自社ブランドを高めるには、会社綱領の英語による広報を行うことと非日本人プロ人財の確保(Japan-Passing防止)のノウハウとそれを担保する施策体系を作り実行することである。特に非日本人プロ人財の確保するために、マネジャーたちが重要である。マネジャーたちの課題は本社の経営戦略・戦術(BUのビジネス戦略・戦術)が英語で伝達しきれていない、パフォーマンス・マネジメントのスキルとキャリア・マネジメントを行う意識が不足している、そのための意識醸成とスキル教育のトレーニング&デベロップメントを行ってきた。そのツールとして人材層別役割期待の明確化と「次段階」へのコンピタンシー・スキル要件を作り、明示(特に海外オフィスのGM以上)したとのことであった。

ビジネスアプローチとヒトアプローチからグローバルで活躍できる人材を育成する話はとても興味深くオーディエンスも聞き入っていました。明日からの業務に非常に参考になるお話しだったです。会田さん、松田さんありがとうございました!

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