組織内サイレントマイノリティ

声を上げられない組織内少数派

組織内サイレントマイノリティにならないためにもキャリア権を!~働く女性をテーマに岩田喜美枝さまに伺いました

キャリア権とはキャリア権とは働く人々が意欲と能力に応じて希望する仕事を選択し、職業生活を通じて幸福を追求する権利です。キャリアは法令用語では「職業生活」と訳されてすでに使われており、雇用対策法や職業能力開発促進法、
男女雇用機会均等法や障害者雇用促進法など19の法律で使われています。NPO法人でキャリア権推進ネットワークという団体があり、お手伝いで岩田喜美枝様にインタビューさせていただきました。特に印象に残ったことを書きます。

岩田様は女性がキャリアを高めるためにも「時間軸(ライフステージ)」の中で初期キャリアと中期キャリアを意識してキャリアを高めることが重要だとおっしゃています。
特に「仕事の継続」と「成長実感」を実現することだとおっしゃっていました。

「仕事を継続」することの難しさに初期キャリアの段階では情報格差と働く不安が付きまとう。働く不安は今のような長時間労働に将来結婚や子育てして仕事が続けられるかどうか、またロールモデル不在で将来のキャリアが見えないからそれらをどう解決するかが重要だとおっしゃっていました。
・ロールモデル不在については異業種交流会などで社外のロールモデルに出会う機会を会社としてつくってあげる。
・長時間労働対策は、業務の優先順位をつけ、選択と集中という観点から業務にあてるマンアワー(人数×時間)を見直す。長時間労働を無くすためにも評価制度の見直し、今の評価を労働時間指数で割ること。そして労働生産性を並べてみることが重要。時間制約のある社員でも高い評価を得られるなど本当に貢献している社員がわかる。わかれば女性に限らず、時間制約のある社員も気兼ねなく仕事ができるようになるとのことでした。

「成長実感」を実現するためには中期キャリアにいかに労働の質を高められるか。
・まず、会社のトップも、直属の上司も女性に対して言葉や態度で、期待をきっちり伝えて、本気で育成していく覚悟を持つこと。「ほどほどでいい」という女性社員がいるとすれば、女性に対する期待や本気の育成が無かったということの裏返しだと思ったほうがいい。
それまでの「一般職」や「ほどほどでいいと思っていた人」に、責任のある仕事を担当してもらう、あるいは異動させしっかり育てることにより、それに応えてくれる人を何人かつくろうと試みること。 「一般職」や「ほどほどでいい」と思っている人達がその様子を見て、ああいう風に頑張れるのか、頑張ったら評価してもらえるのかと気づく。そういった事例づくりを行っていくことが重要。
・そのうえで成長実感できる難しい仕事、責任のある仕事をアサイメントし、成功体験を作ってもらうこと。成功体験を何回か経験すると、自信がついてきます。様々に経験し成功して自信が持てると人はキャリアに興味を持ち、キャリアになる仕事にアサインされるためにどうしたらいいか考えるようになる。そういうところから一つ一つ労働の質を高めていかなければならないということがわかってくる。
・同じような仕事に長く従事させていると成長カーブが鈍化していくため、今とは異なる部署へ異動させる(尻込みしても背中を押してあげる)。仕事のダイナミックな面白さみたいなものを経験させることで「労働の質」やキャリアも高められるとのことでした。

最後に上司、企業、政府、社会が男性の当たり前になっている今の働き方を変える取り組みに着手することこそが女性のキャリア支援の本当にキーポイントだとおっしゃっていました。
厚生労働省から資生堂代表取締役副社長を歴任し、現在公益財団法人21世紀職業財団会長、そして多くの社外取締役を務めていらっしゃる岩田さまのお話しは本当に示唆に富み、勉強になりました。是非に一読いただければ幸いです。

http://www.career-ken.org/top_005.html

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